監督の実体験に基づく予測不能の深層心理サスペンス『入国審査』より、新天地での生活を夢見て空港に降り立った幸せなカップルを待ち受ける、緊張感MAXの入国審査シーンの本編映像が解禁となった。
わずか17日間の撮影、たった65万ドルで制作された低予算の監督デビュー作が、スペイン映画として初めてインディペンデント・スピリット賞3部門(新人作品賞、新人脚本賞、編集賞)にノミネート! 世界各国の映画祭で新人監督賞や観客賞を獲得するなど大きな注目を集めている。

移住のためにNYに降り立った幸せなカップル、ディエゴとエレナ。入国審査を待つ人は長蛇の列で、ディエゴはその列に並びながらも周りの様子を見まわし、どこか落ち着かない。すると隣のスーツを着た男性から話しかけられる。「バルセロナから?」「ええ」「カタルーニャ語がうまい」「先生が優秀なので」「機内でも見かけた」とスペイン語で会話を続けながらも、緊張はほぐれない。入国審査のブースが近づき、スーツの男性が「威圧的だな」と話すと、ディエゴも「怖いくらいだ」と応じ、その顔には不安さえも感じられる。その様子に男性から「中南米の人?」と聞かれ、「ああ」とディエゴ。そこへ税関申請書を手にエレナが戻ってきて、男性にペンを借りてテキパキと記入しはじめる。その横でディエゴは入国審査のブースを注意深く観察し、スムーズに対応していた審査官を見て「18番だといいな」とつぶやく。そして二人の順番が近づく。
■『入国審査』本編映像
「さっきは何て?」「18番ならいいなって」。すると18番のブースから「次の方」と呼ばれ「18番よ 行こう」とついに入国審査へ! 「こんにちは」と笑顔のエレナとは対照的な表情のディエゴ。「パスポートを」「あなたの分も」ここから眼光するどい審査官によるチェックが始まる…入国審査へ向かう短い会話の中で浮かび上がるディエゴとエレナの対照的な様子と、なんとも言えない緊張感に、このあと二人を待ち受ける予想もしなかった展開の序章を感じる本編シーンとなっている。

先日、ジャパンプレミアのために来日したアレハンドロ・ロハス監督とフアン・セバスチャン・バスケス監督は、監督たちや知人の経験から生まれた本作のストーリーについて「ベネズエラ出身なので、アメリカの入国管理では元々要注意の国として、ベネズエラの旅券だと素直に入国することが難しい現状がありました。それにより私自身入国管理局に対する反感や恐怖があります。誰も見ていないところで行われる“審査”で、実際何が起きているのかを語りたかったんです」(ロハス監督)「人種や宗教など色々な差別がある中で、自分の国籍でそもそも差別されるということを知ってもらいたかった。もし自分が移民の立場だったらどうなるかを知ってもらいたいと思いました」(バスケス監督)と語り、その言葉とともに今回解禁となった本編シーンをみると、ディエゴの緊張もよりリアルに感じられる。第二次トランプ政権下のアメリカで、移民の強制送還や不当な逮捕が日々報道されている昨今、似たような事件が世界各国を揺るがしており、日本人にとっても決して遠い国の話ではない。あなたにも起こりうるすぐそこの恐怖に迫る、リアリティMAXの深層心理サスペンスをぜひスクリーンで!
8月1日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開